【情シス講座】決裁獲得メソッド 第2回「君の提案は刺さる!」と言われる1枚企画書の秘訣
前回は、情シスのあなたの提案が上層部の気持ちを動かし、決裁が下りやすくするために次の3つがポイントだと述べました。
対策(1)提案内容を「翻訳」する。
対策(2)シンプルなフォーマットでポイントを絞って伝える。
対策(3)ビジネスとのつながりを直感的に表現する。
これらは、それぞれパラバラではなくて緊密に関係しているのです。
今回は、「カタチから入るとわかりやすい」という人に向けて、対策(2)のシンプルなフォーマットについてお話しさせてください。
はっきりいいます。「1枚企画書+α」を試してみましょう。
経営トップや上層部はほんとに「1枚」とか「ワンシート」という言葉が好きです。なぜか? あなたの眼にどう見えるかは別にして、上層部メンバーは色んな案件を抱えて、頭がいっぱいなのです。そんないそがしい上層部に、ぶ厚い企画書を広げて、「さあ、今から最新ITの話を説明しますので最初から終わりまでじっくり聴いてください。そして難しい用語も一生懸命理解して、その上ですぐ決裁してください」といっても、向こうは勘弁してくれ状態になりますよね。つまり、手っ取り早く理解したい人にとって「1枚」はビッグワードなのです。
筆者は中小企業オーナー社長とよく話したりコンサルしたりしますが、彼らは基本的にいそがしい上に“せっかち”です。しかし俯瞰してビジネスを見る能力は高く、即断即決してくれます。当然「1枚」が好きです。なので、そんな彼らに最適なのは「1枚企画書+α」。
ざっくりプロ野球でその役割をたとえると、
■「1枚企画書」 → 切り込み隊長でありスラッガー
トリプルスリーを打つ万能選手みたいな感じですか。自らチャンスを作り決定打も放てます。
■「α」 → ムードメーカーでありセットアッパー
勝ちムードを作る役目です。「こいつが出てきたら負けかな~」と相手に思わせます。
これだと何だかわからないでしょうから、具体的なことを述べます。
■「1枚企画書」 → A4 1枚でまとめた5つのポイント
■「α」 → 1枚企画書のポイントを補強する調査資料、仕様書、動画、静止画ムービー、写真、パース画、モックアップなど
図1
「1枚企画書」A41枚に5つのポイントをまとめます。
その5つのポイントは(3+2)です。
(1)メインコンセプト(1、2、3は「企画の骨子」です)
「今回言いたいことはこういうことです」
最初に全部言い切ってしまいます!
(2)背景
「それはこういうことだからです」
根拠を述べます。
(3)想定メリット
「これにより、こういうメリット(できたらお金で示したい)がもたらされます」
メリットが感じられなければ決裁は下りません。
(4)スケジュール(4と5はクロージングです)
「いつまでにとりかかれば(ここ大事)いつまでにできます」
(5)予算
「いくらかかります。今ならこれだけでできます(ここ大事)」
図2
この5つのポイントの基本的なシートが図1です。この基本シートを元に、言いたいことを付け足して加工した1枚企画書サンプルが図2です(内容はダミーです)。
そして、この「A41枚の企画書」を補強するために、たとえば「背景」のデータを、別紙で準備します。細かい仕様を説明したかったら仕様書を別紙で準備します。しかし、最初からそれらを使って説明をはじめるのではなく、まず「A4 1枚の企画書」で相手に概要をつかんでもらい、「根拠となるデータは…」「詳しいスケジュールは…」などと別紙の必要なところだけ読んでいけばスピード感が出ます。「ちょっと動画も見てください」と短い動画やサンプルなどを使っても効果があるでしょう。
繰り返しますが、最初に全体のことを述べてしまい、相手に「受け入れ準備」をととのえてもらいましょう。「重要なことは先出し」!「あいつの提案は刺さる!」と言われるようになりましょう!
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